海外在住独身日本人男性の理想的な結婚

　海外在住日本人男性のみなさまを大きくふたつのカテゴリーに分けると、日本の会社から期間限定で海外へ派遣されている方と、留学などを機に生活の拠点を海外へ移したという方々が居られます。どちらの場合も、独身で海外に滞在されている日本人男性のみなさまからは、『異国に暮らしていても日本人女性と結婚したい。』というご相談を多くいただきます。理由はいろいろあると思いますが、企業戦士として最前線でご活躍されている男性のみなさまが疲れて家に帰った時に、ご飯に味噌汁のある生活、日本語で妻と語り合え、癒される場があるということが、理想の結婚と言えるのでしょうね。

　先日、ニューヨークで、ある日本人の集まりに参加させていただいた際に、ショックなことがありました。偶然隣りの席に座った女性との会話。

『あ～、もう、早く日本へ帰りたい！』

『こんなところに住みたくない！』

　その女性はニューヨークへ赴任した駐在さんの妻として、不本意な生活を強いられているという話で、日本へ帰れば、帰国子女となるお子さんのお受験のために奔走し、少し疲弊されているようにも見えました。

　私自身、10代のころからアメリカに憧れ、ニューヨークに住むことが夢だったものですから、『ご主人のおかげでニューヨークに住めるなんて、ラッキーじゃないですか！』と、心の中で思いましたが、みんながみんな私と同じようには思わないということをその時に理解しました。

　この女性にとっては、自分が希望していない場所に無理やり住まなければならず、言葉も通じない場所でストレスを感じながら、日本に住んでいる自分の家族や友人とも離れ離れ。ご主人の会社の都合で自分の人生を振り回されてしまっているという被害者的な思いもあるのでしょう。なんだか、お気の毒な感じさえしました。

このコラムは後半へ続きます。